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オンライン学会報告

言語文化教育研究学会第7回年次大会「アートする」教育2021.3.8
<大会シンポジウム>アートが拓くことばの教育の未来

 軽井沢風越学園の校長である岩瀬直樹先生の発表が印象に残っています。岩瀬先生は、東京学芸大学大学院卒業後、公立の小学校教諭を勤め、学習者中心の授業・学級・学校づくりに取り組んでこられました。その後、軽井沢風越学園設立に関わり、現在は校長、理事をされています。著書には、『せんせいの作り方これでいいのかなと考え始めたわたしへ』(共著、旬報社、2014年)、『最高のチームになる!クラスづくりの極意』(農文協、2011年)などがあります。
 今回のシンポジウムでは、軽井沢風越学園での取り組を中心にお話をしてくださいました。「教室をあそぶ」と題して、児童と一緒に学校をあそぶことが大切であるという視点から実践した「教室リフォーム・プロジェクト」についての話がありました。一般に、教室のイメージは前に誰かが座っており、その人の後ろ姿を見ながら授業に参加する場合が多いのですが、学習者の目線で、学習したいという気持ちが起こる教室空間はどのようなものか、と考えた結果、このようなプロジェクトに繋がりました。児童たちは、教室をリビングルームにしたり、図書館の空間を作ったりしたそうです。その課程で、児童たちが従来の教室を壊し始め学校は、創造していく実験場であるという実感を得たそうです。プロジェクトをおこなっている中で、児童たちは、いろいろなことを考えました。例えば、「ロビーが作れるのか」「校庭に泊まれるのか」「テントをつくれるのか」など何かをしたいという情熱が出てきたそうです。自分が学ぶ学校環境を学習者と教える側が共同作業で変えていくという試みは興味深いものでした。学習環境は、学習者に様々な影響を与えることに気づくこと、そして学習者が学習環境づくりに参加できるようにすること、は教える側の責任でもあると発表を聴きながら思いました。

軽井沢風越学園のサイト
軽井沢風越学園 (kazakoshi.ed.jp)

軽井沢風越学園の風景写真

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